NPO設立趣旨書

特定非営利活動法人
あそびと文化のNPO　新宿子ども劇場

設立趣旨書

 新宿子ども劇場が誕生したのは1974年。テレビや学習塾が急速に普及する中、子どもたちに質の高い生の文化を伝えたいという思いが全国に広がり、新宿においてもその思いを実現しようという人たちが集まり、子ども劇場を発足させました。その後30年間、私たちは、「子どもに夢を、たくましく豊かな創造性を！」との考えのもと、様々な活動を続けてきました。

しかし、いま子どもたちを取り巻く環境をみると、ゲームやパソコン、携帯電話が急速に普及し、子どもたちは子どもとして育つための充分な時間を保障されず、一人でバーチャルな世界に生きる傾向が強まっています。また、子どもたちは「人間らしく育つ」という基本的な権利さえも保障されることが困難な状態にあります。大人の世界でも、人と人が触れ合うコミュニティがますます希薄になり、子育ての孤立化が一因と思われる子どもをめぐる痛ましい事件も多発しています。　

 私たちは子どもの権利条約の精神を重んじ､子どもが社会と伸びやかに関わり、人として豊かに育つために､より多くの大人たちが子どもの周りに安心できる大人の輪を広げていく必要があると考えます。

子どもたちが本来持っている「育つ力」を大事にしながら、より広い視点で子どもたちを捉え、演じる側と観る側が一体となる「生」の舞台芸術など人と人が関わって生まれる豊かな文化やキャンプなどの自然体験、創造性あふれるあそび体験の場に、ひとりでも多くの子どもたちが出会える機会を地域に幅広くつくり出していきます。そのために、わたしたちは他団体や行政など多くの大人たちと協働していきたいと思います。　

 私たちは、子どもたち一人ひとりが人間的に豊かに育っていけるような、またそれを支える大人たちが自信をもって子育てに立ち向かえるような地域づくりに一層寄与していくため、ここに特定非営利活動法人　あそびと文化のNPO　新宿子ども劇場を設立いたします。

2004年11月7日

設立代表者
住所 : 東京都新宿区払方町７番地　日本銀行払方町家族寮
氏名 : 佐藤　靖子